家賃も広さも3分の2にしたい
小説家・群ようこ自身の引越しの顛末を綴ったエッセイ本。
読んでいる途中で自分も何か片付けたくなってしまう、こうした本を時々読むのは必要です。
群ようこは27年も同じマンションに住んでいたがこの度引越しをして、管理する面積もかかる家賃もこれまでの3分の2にしようと考えた。
ちなみに群ようこは親のために家を買ってやったことはあるが、自身は若い時から今に至るまで家を所有する気が全くなく、これからも賃貸でいくことにはブレがない。
今持っているものを減らしていく様子とか、前期高齢者として家探しをする不安とか、新居での電気やインターネットを整えるまでのちょっとしたごたごたとか、引越しが済んでも引き続き片付けをして物の絶対量を減らさないと快適に住めないこととか、細かいところまで時系列に淡々と進む物語。
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45Lごみ袋を週に2袋ずつ出す
群ようこの自治体では、一度に出すごみの推奨量は45Lごみ袋なら2〜3袋だとかで、捨てると決めたものが玄関を占めているにも関わらず、彼女は律儀に少しずつごみを出してゆく。
ちょっときれいなものはどこぞのバザーに提供するらしく、その回収を宅配業者に依頼するのも繁忙期は控えるなど細かな気遣いをしている。
そのため物はなかなか減っていかない。
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書籍MAX3000冊
職業柄、所有している書籍の量がものすごい。
過去には3000冊持っていたこともあったが、今回の引越しではそれよりは減らしてきている。
でも新居にはとても入りきらないので、ものすごく悩みながら、躊躇しながら、行きつ戻りつしながら、じわじわと減らしていく。
3000冊って、個人が持つにはすごい数なのかな?
図書館や書店と比べても仕方がないけれど、たいした数ではないような気がしてしまう。
つまり私には実感が湧きませんが、大変だったみたいです。
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ダンボール130箱
最終的に新居に運ぶ荷物はダンボール130箱になった。
私はダンボールひとり当たり10箱超えたら負けたと感じるので、これも比べようもありません。
群ようこは引越し業者に、荷物を運ぶだけでなく大物の引き取りもお願いしていて、いざとなったら収納家具などを中身ごと置いて行けると言う逃げ道を確保していた。
古いバービー人形のコレクションとか、ガラス戸の付いたアンティークのキャビネットとか、まだまだ値がつきそうで、引越し業者もwin-winで嬉しいだろう。
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家賃が安いと言う理由だけで郊外に住むな
荷物減らしと並行して進めていた転居先探しの方は、郊外の家賃に安さに心が揺れることもあったが、友人に一喝されて目が覚めた。
まだ仕事があるうちは稼いで家賃を払い続けなさい、そこで野菜を作りたいとかいう理由があるのならともかく、ただ家賃が安くなると言うだけで郊外の、駅からも離れたところに住むのは、出不精になるし早く老け込むから止しなさい、と友人は言う。
良い友達を持ったね。