鉛筆だけで畳一枚以上の大きな絵を描く
例によって夜にテレビを聞いていたら、鉛筆画家の話が聞こえてきた。
もうすでに世界的に知られている画家らしいが、住まいは団地だという。
私はそのことに大いに興味をそそられて、その画家、木下晋の自伝「いのちを刻む」を読んだ。
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団地暮らしがフックになってる
「有名画家が団地暮らし」ということに注目してしまう自分は下世話だとは思いつつ自伝を読んでいくと、木下晋のサイン会に来ていた中学生の言動についての記述があった。
サイン会で順番待ちをしている親子連れの中学生の娘もやはり、画家なのに団地暮らしであることを事前にテレビで見て気になっていて、こっそり親に話しかけるが、親はそれをたしなめる、その一部始終が木下晋にはしっかり聞こえていたというくだりがあった。
その時、自伝を読む私も木下晋に見透かされているように感じた。
しかしよく考えるとテレビのプロデューサーもそこがおもしろいと思って今回の番組を構成しているのだ。
私が今回見た番組、そして自伝に書かれる以前に放映された番組、少なくとも2回はテレビで取り上げられているが、きっともっと取材されていて、しかしこの切り口は外せない、いつものお決まりのものなのではないだろうか。
「有名画家が団地暮らし」というミスマッチ感は狙ったものなのである。
これはある種のネタなのだから、私たちはそれを消費すれば良いのであって、やたらと自分を恥じる必要はないのだな、とそのように思った。